モスカテルの話

マスカット・オブ・アレクサンドリア
Muscat of Alexandria

世界三大酒精強化ワインのうち、ふたつ(ポート、マデイラ)がポルトガル産であることはすでによく知られていますね。 ポルトガルには他にも評判の高い酒精強化ワインがあります。 それはモスカテルという品種からつくられる、甘口ワインです。 この品種は糖度が高く、香りも高く、柑橘系、フローラルな香りが楽しめます。

モスカテル、つまりマスカットのぶどう品種は世界中にたくさん種類があります。 そのうち、ポルトガル産のモスカテル・デ・セトゥーバルは別名マスカット・オブ・アレクサンドリア(Muscat of Alexandria)といい、ドウロのモスカテルはモスカテル・ガレゴ・ブランコ(Moscatel Galego Branco, Muscat Blanc a Petits Grains) といいます。 このドウロのモスカテルはこの種の中で、もっともエレガントな香りの品種として認知されています。

もう少し詳しくみていきましょう。

モスカテル・デ・セトゥーバル

モスカテルの大樽
モスカテルの大樽

果皮は非常に香りがよいので、醗酵中も果皮を漬け込んだままにしておきます。 醗酵が進み、糖度が望んだ度数まで達したところで、ブランデーを加え、3ヶ月以上そのままにされます。 そして、香りをさらに吸収させてから、最低18カ月、樽で熟成されます。 「マーマレードのような」「花のような」「ぶどうのような」といった表現は若いモスカテルに使われます。 だんだん黄金色に変化し、樽の中においておくと、マホガニーの色を呈してきます。そして 複雑性のある、イチジクのようなナッツのような香りになってきます。10年や20年もののモスカテル・デ・セトゥーバルは 稀少です。

モスカテル・ドウロ

モスカテル・ガレゴ・ブランコ
Moscatel Galego

ドウロのモスカテルはドウロ地域全般で見られますが、とくに、アリージョ、ファヴァイオスの近郊に集中しています。そこはうねうねと起伏に富んだ高地で、ドウロ川の北、曲がりくねった道を10キロほど行ったところで、ドウロの中心地、シーマ・コルゴの北端に位置します。多くのモスカテル・ドウロはファヴァイオス産です。

ドウロのモスカテルはホワイトポートの風味付けにも用いられることがありますが、複雑性のある、甘い酒精強化ワインに用いられます。 このワインはバランスのとれた酸、花のような、柑橘系の香り、オレンジやタンジェリンの果皮の香り、アプリコットやバタースコッチ(赤砂糖とバターを原料とする菓子)のような香りがします。オークの桶で熟成すると、これらの香りがナッツや、イチジク、レーズンのような香りに変化します。少なくとも18ヶ月は熟成期間が必要です。実際は更に熟成されており、10年もの、20年ものもあります。

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Quinta do Portal

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