ダン・バイラーダ


ブサコパレスホテル(王の猟館)

ダン(Dão)は、ドウロ川南方の大西洋とスペイン国境との中間に広がる丘陵地帯です。西側にある山々が海風や湿度をさえぎり、日照に恵まれ、夏に雨の少ない気候が良質のぶどうを生み出します。ダンワインは、放浪の作家檀一雄が自分の名前と似ていることから、愛飲したことでも有名です。赤は力強く重厚な風味が特徴で、白は香り高いワインです。

この地域は標高の高い地域と盆地から構成されています。標準的にワイン畑は400〜500mの標高に位置しますが、中には800m(Serra da Estrela)のところもあります。雨量も多く、年間1200mm〜1300mmほどに達しますが、ぶどうの生育期、収穫期には雨はほとんどなく、乾燥した気候ですので、ぶどう栽培に適しています。土壌は花崗岩がほとんどですが、粘土質のところもあります。主なぶどう品種は何といっても黒ぶどうはトウリガナシオナル、アルフロシェイロ、ジャエン、バガ、ティンタ・ロリス(アラゴネス・テンプラリーニョ)白ぶどうはエンクルザード、マルヴァジア・フィナ、フェルナン・ピーレス、ビカルなどです。ワインを栽培している農家は比較的小規模なところが多い地域です。基本的にはポルトガル全体がブレンドものの多いワインですが、この地域ではトウリガナシオナル、エンクルザードに単一品種ものの美味しいワインがあります。

一方、ダンの大西洋側に広がるバイラーダ(Bairrada)のブドウ栽培は、ポルトガル建国時にさかのぼるほど古く、歴史があります。 土壌は粘土質を主体に、石灰岩質が混在していて、バイラーダの名前は粘土(Barro)と地区(Bairro)に由来しています。 バガと呼ばれる小粒で色の濃いぶどう品種を赤ワインに使用するのが特色です。 このぶどうから作られるワインも濃色で、酸とタンニンが強く、長期熟成に耐えるものです。 白は新鮮で、果実の風味のある辛口ワインが多く作られています。

また、この地域は、ブサコ、源泉の湧き出るルゾなど風光明媚な地域にも近く観光もお楽しみいただけます。

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